所信表明 平成29年2月

本日、ここに2月定例市議会を招集しましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜り、心から感謝申し上げます。

本定例会にあたり、当面する行財政運営にかかわる諸課題及び諸施策につきまして、その概要と私の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。

本年は、先の米国大統領をはじめ、様々な国のリーダーが交代する時期にあるほか、英国ではEU離脱に向けた手続きが進められるなど、国際情勢の大きな変化が予想されております。

政治や経済、文化といった様々な分野の垣根が低くなるグローバル社会が進展している中にあって、これらの情勢変化は、決して他人事ではありません。

環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPや気候変動枠組条約など、経済や環境といった、国民生活に直結した課題につきましても、不透明な部分も浮上してきていることを強く認識しておかなければなりません。

市民の皆様の安全で、安心した暮らしを守る責務を有する基礎自治体として、国際情勢の変化、更にはその変化に対する日本政府の対応を注視し、市民の皆様の幸福実現につながる施策を、国及び千葉県などの関係機関と連携し、適宜進めてまいりたいと考えております。

就任5年目を迎える安倍首相は、第193回通常国会の施政方針演説において、戦後70年余りが経過した今、次の70年を見据え、『世界の真ん中で輝く国創り』、『力強く成長し続ける国創り』、『安全・安心の国創り』そして『一億総活躍の国創り』の4つの視点で新しい国創りを進めていくと表明されております。

いずれの国創りも、少子高齢化やデフレ経済といった、我が国が抱える今日的な課題を解決していくために、とても重要な取り組みであり、健全な社会を未来の国民に継承していくことは、現代を生きる私たちの責務であると考えております。

特に、『力強く成長し続ける国創り』においては、給与が3年連続してベースアップしていること、各都道府県の有効求人倍率が上昇したことなどを踏まえ、「経済の好循環」が生まれてきているとし、その好循環を、中小企業や地方でもより実感できるよう取り組んでいくとしております。

また、『一億総活躍の国創り』においては、有効求人倍率の向上など、雇用情勢が好転しているこの機を生かし、『働き方改革』を一気に進め、介護や保育と仕事の両立を図るなど、多様で柔軟な働き方が選択できる社会への転換を着実に進めていくとしており、その進展を、私としても、大いに期待しておるところでございます。

また、政府が東日本大震災からの完全復興を掲げ、国を挙げてその対策に取り組んでいるさなかに発生した「熊本大地震」では、震度7の地震2回を含め、震度6弱を超える地震が、3日間で7回も発生し、大きな被害が出ております。

地震のほかでも、昨年10月岩手県で発生いたしました、台風10号に伴う河川の氾濫、本年1月の糸魚川市での大規模火災など、これまでの想定を大きく超える被害を引き起こす災害が発生するなど、これまでの考え方を改める必要があるものと認識したところでございます。市民の皆様の生命と財産を守る責務を有する市長といたしましては、これまでの防災対策を継続、充実させる中で、発生し得る災害の種類、規模について再検討し、真に災害に強いまちづくりを進めていかなければならないという思いを強くしたところでございます。

このような状況下、昨年の2月定例市議会で申し上げました3つの当面する危機は、未だ継続しているものと捉えております。

1つ目は、国やまちを構成する最も基本的な要素である人口の減少や、少子高齢化に伴う急激な人口構造の変化という危機。

2つ目は、高い確率で発生が危惧される首都直下地震など、災害という危機。

そして3つ目は、公共施設や道路、橋梁や上下水道設備の老朽化など、公共インフラの危機でございます。

私ども自治体には、これらの『危機』を『希望』へと転換していくことが強く求められているものと考えており、国の地方創生交付金を有効に活用するなど、国や千葉県といった関係機関の施策との整合性を図りながら、地域課題を着実に解決してまいりたいと考えております。

次に、佐倉市の基本方針について申し上げます。

昨年末、国及び千葉県が発表いたしました合計特殊出生率を見ますと、本市の平成27年における合計特殊出生率は、『1.26』であり、平成26年と比較いたしまして0.07ポイントの上昇となっております。

10年前と比較しますと、ポイントでプラス0.29、率で申し上げますとプラス29.9パーセントとなっており、同時期における国や千葉県の2倍の伸び率となっていることから、一定の改善が図られてきたものと捉えております。

平成27年10月に策定いたしました佐倉市版総合戦略では、若い世代の結婚、出産、そして子育てに係る希望を叶え、同時に策定いたしました人口ビジョンでお示しいたしました、2060年、人口15万人を維持するための一要素として、合計特殊出生率を『2.38』まで高めるとする、極めて高い目標を掲げましたが、この状況を継続できれば、十分に達成できるものと考えておりまして、引き続き、総合戦略に基づく施策を着実に進めてまいります。

それでは、総合戦略に掲げました4つの基本目標ごとに、その取り組み方針について申し上げます。

まずは、若い世代の結婚、出産、そして子育てに関する希望を叶えるための取り組みを積極的に進めてまいります。

出生率を高め、人口減少を緩やかなものとしていくためには、佐倉で子どもを生み、育てていただくための環境整備が不可欠であり、そのための子育て支援施策の拡充が重要であると考えております。

「子育てしやすいまち」を本市の特徴とするために進めてまいりました、保育園待機児童ゼロに向けた取り組みもいよいよ最終段階を迎え、平成29年度では、民間保育園5園が新規開園、また、既設の1園において定員増を予定しているほか、既設幼稚園1園において、認定こども園としての開設が予定されております。

また、お子様が病気にかかってしまった場合の保育につきましては、これまでは病後児保育のみの実施に留まっておりましたが、病児保育も、市内の医療機関におきまして、平成29年度中にスタートできる見込みとなるなど、保育サービスの量的な充足だけではなく、多様化する保育ニーズに対応した、利用者の立場に立った保育サービスの拡充に努めてまいります。

また、災害時の妊産婦への支援を強化するため、「災害時等における助産を必要とする者の受入れ協定」を、市内の2つの産婦人科医院と昨年4月に締結しておりましたが、より専門的な医療が必要となることも想定した「災害時における専門的医療を必要とする妊産婦・乳幼児の受け入れ協定」に関し、東邦大学医療センター佐倉病院との協議が整い、年度内での協定締結が見込まれるなど、万が一のときでも安心して子育てできる地域づくりを一層進めてまいります。

更に、若年層の転出抑制、そしてUターンを促進するためには、ふるさと意識の醸成が不可欠であると考えております。ふるさと佐倉に対する理解を深めるとともに、ここ佐倉で学んだことが、後の人生を豊かにするための糧となるよう、「佐倉学」の普及、定着など、これまでも取り組んでまいりました特色ある教育を一層推進していくほか、市立小・中学校の普通教室へのエアコン設置を進めてまいります。このエアコン設置に関しましては、34校への一斉整備、更には財政負担の平準化を図る観点から、本市としてははじめての取り組みとなりますが、PFI手法の活用について検討してまいりたいと考えております。

これらの取り組みを通じまして、子育てに優しいまち佐倉、そして若い世代の結婚・出産・子育ての希望が叶えられるまち佐倉を目指してまいります。

第二は、産業経済の活性化を図り、佐倉に安定した「しごと」をつくるための取り組みです。

人口減少という危機を乗り越え、定住人口を維持していくためには、地域経済を活性化させるとともに、市民の安定した雇用を創出・確保する必要がございます。これまでも、企業誘致助成制度の拡充、庁内の誘致体制の整備等を図り、市内への立地企業に対する支援を行うとともに、既存企業の事業拡大や施設拡充に対する支援、市内に起業・創業を目指すかたに対する技術的、経済的な支援を行うなど市民の安定した雇用確保に努めてまいりましたが、引き続き、これらの取り組みを継続・拡充してまいります。

また、佐倉市の主要産業の一つである農業につきましても、経営の安定強化及び生産性の向上を図るため、農地の利用集積や水田フル活用など生産基盤の有効活用を目指す農業者に対する支援を強化していくとともに、農業を持続し、農家人口を維持していくため、新規就農者の受入れや後継者の育成に、市の関係部署間で連携を図り、必要な支援に努めてまいります。更に、地域農産物の消費拡大と農家の所得向上を図るため、6次産業化による付加価値の高い商品開発に取り組む農業者への支援を拡充し、ブランド化を推進するとともに、地場産品の地産地消を推進してまいります。

第三は、将来にわたって住み続けたいと思える「まち」をつくるための取り組みです。

定住人口を維持、増加させるためには、転出者を抑制することが重要であり、将来にわたって住み続けたいと思えるまちづくりが不可欠です。

高齢者の皆様にも将来にわたって住み続けたいと思っていただくための施策といたしましては、これまでの生きがい支援などの取り組みに加えまして、本年4月より『介護予防・日常生活支援総合事業』を開始いたします。この事業では、身体介護を伴わないホームヘルパー派遣サービスなど、それぞれの利用者の状況に見合った、現行よりも利用料の安いサービスの実施を計画しておりまして、利用者の選択肢が増えることで、使い勝手の良いサービスが提供できるようになるものと考えております。

また、市民の生活、活動の基盤となる交通手段の確保につきましては、現在、その策定を進めております『佐倉市地域公共交通網形成計画』に基づきまして、コミュニティバスの導入を図るなど、交通空白地域の解消に努めてまいります。

また、昨年4月に発生した熊本地震を教訓として、避難所生活を余儀なくされた場合でも、水、トイレ、食料に関しては不自由なく生活できるための備えは重要であり、避難所へのマンホールトイレの整備をはじめ、避難所の設備や体制の拡充に努めてまいります。

第四は、佐倉の魅力を発信し、新しい「ひと」の流れをつくるための取り組みです。

交流人口の増加とともに、定住人口の維持、増加を図るためには、佐倉市が持つ、魅力あるたくさんの資源を、広く発信していく必要があるものと考えております。

その一つが、昨年、日本遺産としての認定をいただきました城下町の風情を残す町並みでございまして、関係する成田市、香取市、そして銚子市をはじめ、千葉県及び周辺自治体などとも連携いたしまして、その保全と有効的な活用を図ってまいります。

また、本年6月にリニューアルオープンいたします「長嶋茂雄記念岩名球場」も、「スポーツのまち・佐倉」を特徴付ける施設であり、本市の魅力に彩を与えてくれるものと考えております。

更には、佐倉市の「自然」の代表格でございます印旛沼に関しましても、佐倉ふるさと広場にございます『佐蘭花』をはじめ、周辺に点在する観光拠点等を整備して、市内外から多くの方に訪れていただけるよう、更に魅力を高めてまいります。

これら、これまで佐倉市が大切にしてきた「歴史・自然・文化」、そして他自治体に誇れるスポーツや花を活用したイベントなど、市の資源を十分に活用したシティプロモーションを積極的に展開するとともに、観光客誘致のため、観光施設の老朽化対策や施設価値を高めるための機能の見直しを行うとともに、各種イベントの充実を図るなど、観光客の回遊性を高めるための取り組みを、一層推進してまいります。

また、若者世帯などの転入を促進するとともに、市外への転出を抑制するための住宅施策も重要であると考えております。子育て支援や高齢者の見守り支援のための親世帯との近居・同居住替支援、空き家の利活用を促進し、定住人口の増加を図るための中古住宅リフォーム支援などに加えまして、平成29年度からは、国の結婚新生活支援事業費補助金を活用し、新婚世帯の引越し費用への助成制度も創設するなど、定住人口の維持・増加策を強化してまいります。

最後に、「行財政の運営」について申し上げます。

これまで様々な取り組みによりまして、財政状況の改善を図ってまいりましたが、老朽化した公共インフラなどの更新や、新たな行政需要への対応も含め、引き続き、危機感を持って行財政運営に当たっていく必要があると考えております。

特に、老朽化しております公共インフラなどの更新につきましては、現在、策定中でございます『佐倉市公共施設等総合管理計画』において、持続可能な公共施設等の管理、活用を図ってまいりたいと考えております。

また、健全な行政運営と市民サービス向上のため、柔軟で効率的な組織運営に努め、時代の要請や直面する行政課題に対応できる組織体制を整備するとともに、市民の視点に立った窓口対応により、満足度の高いサービスの提供に努めますとともに、本年7月から本格的に情報連携が開始されますマイナンバー制度を適正に運用し、行政手続きの簡素化と利便性の一層の向上を図ってまいります。

更に、財政運営につきましては、緊急度の高い施策への重点的な予算配分に努めるとともに、歳入規模に見合った歳出構造となる予算編成を実現するため、引き続き、経常経費の抑制や、国県支出金など特定財源の積極的な活用を図ってまいります。

以上、私の市政への取り組みの所信の一端を申し上げました。

現在、進めております『第4次佐倉市総合計画』の計画期間も残すところ3年余りとなることから、計画の総仕上げとして、これまでの取り組みを更に加速させまして、市民の皆様が将来に希望の持てる佐倉市となるよう、そして、佐倉市が選ばれるまちとなるよう、引き続き、諸課題に立ち向かってまいりますので、議員各位並びに市民の皆様のご支援とご協力を重ねてお願い申し上げます。