所信表明 平成19年6月

 本定例会におきまして、はじめに、当面する行財政運営に係る諸課題及び諸施策につきまして、その概要と私の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。

 佐倉市は、第3次佐倉市総合計画の基本構想にも示されている「歴史 自然 文化のまち」を標榜し、自然と都市が共生する大変住みよいまちに発展してきました。この素晴らしいまち「佐倉」は、私にとりまして誇りであります。

 これまで、住みよいまちづくりの実現に向けて、さまざまな活動を着実に進めてこられました先人の皆さん、また、市政にこれまで御尽力いただいた議員及び歴代の先輩市長には、感謝とともに敬意を表する次第であります。

 私は、先の選挙によりまして、第6代目の佐倉市長として、市政に当たらせていただくことになったわけでございますが、社会経済情勢が厳しさを増している中にありまして、今後の市政の舵取り役を預かる責任の重さに身の引き締まる思いであります。

 私は、選挙中から「しがらみのないクリーンな市政」を訴えてまいり、市民の皆さんの御理解を得たところでございます。そこで、17万5000人余の市民が暮らす佐倉市の市長の基本姿勢として、市民の皆さんにお約束をいたしましたとおり、「利権、恐怖、圧迫、癒着に支配されない公正な行政」、「市民を向いて高潔、清新、清潔に、透明性の高い行政」、「ダミーではない、責任をもった市長による行政」、「情報公開の徹底と市民参加・市民協働による行政」、「ていねいで、暖かい、わかりやすい行政」に心がけ、市民の皆さんから信託を受けたという初心を忘れることなく、自らの責任と役割を自覚し、全身全霊で、取り組んでまいる決意であります。

 市議会をはじめ、経済・産業団体、教育、福祉などさまざまな団体の皆さんとの話し合いを通じ、そしてまた、市民の御意見等に真摯に耳を傾けながら、住みよいまちづくりを推進してまいりますので、議員各位並びに市民の皆さんのさらなる御理解と御協力を、心からお願い申し上げる次第であります。

 次に、市政運営における私の主な政策について、その所信の一端を申し上げます。

 一つ目は、「高齢化・少子化に対応した自治体経営」であります。

 近年のわが国の社会情勢はといいますと、人口は2006年をピークに増加から減少に転じ、人口減少が急速に進んでいくことは確実であり、主要国に例を見ない速さで、高齢化・少子化が急速に進んでおります。今後もこの傾向は続き、いわゆる「団塊の世代」が高齢期を迎える2015年頃には国民の4人に1人が高齢者となり、「第2次ベビーブームの世代」が高齢期を迎える35年後の2042年には、実に3人に1人が高齢者となる見込みです。一方で、15歳未満の年少人口は、現在の約1700万人から30年後には1000万人を割り込むとの予測もございます。

 このような人口構造の大幅な変化は、家族のあり方をはじめとして、わが国の社会経済に多大な影響を及ぼす現象でありまして、生産労働人口の減少や経済成長率の低下、現役世代の社会保障の負担増などが懸念されております。

 地域社会においては、住民の高齢化により、健康づくりや生きがいづくり、老後を地域で豊かに過ごすための生活環境、充実した医療・介護福祉など、行政に対する住民ニーズが高くなってくることが予想されます。一方、少子化に伴う生産労働人口の減少は、税収の減少や地域の活力低下を招く原因にもなり、地域社会の持続可能性を基盤から揺るがす事態をもたらすものになってくるのではないか、と懸念をいたしております。また、この少子化に対して私は、青少年が同年代の仲間と切磋琢磨して育つ環境や乳幼児とふれあって育つ環境を奪うこととなり、子どもたちの健全育成が阻害され、自立した責任感のある社会人に成長する妨げとなるのではないか、このような危機感も持っております。

 高齢化・少子化への対応は、国だけでなく地方においても取り組むべき課題であります。私は、行政と地域社会の構成員とが相互に連携し、官民協働で取り組むべき重要課題であると考え、高齢化・少子化への対応を自治体経営において包括的かつ継続的に推進してまいります。

 その具体的な施策として、乳幼児医療費の軽減の拡大、グループホームなどの介護施設の整備促進、健康づくり事業や生きがい対策事業の充実を進め、福祉のまちづくりをさらに進めてまいりたいと考えております。

 二つ目は、「市民の皆さんが暮らしやすい生活環境の整備」であります。

 不当な格差、差別のない市民社会、安心・安全で快適な暮らしを支える地域社会の形成は、すべての市民の皆さんの共通の願いであります。

 こうした社会を実現するためには、行政としてはまず、市民の皆さんが日常の暮らしの中で不当であると感じていること、安心・安全に対して不安があると感じていること、について、十分に把握していくことが第一であろう考えます。

 私は、市民の皆さんが日頃感じていらっしゃる暮らしに関するご意見やご要望につきまして、市民アンケート等によって早急に把握をいたし、市政に反映いたしてまいります。

 また、基本的な姿勢といたしまして、市民にとって安心、安全なまちづくりを推進するため、地域の皆さんとも協働しながら、計画的かつ総合的に対応してまいりたいと考えます。

 安心・安全の基礎となる防犯・防災に係る諸施策はもとより、生活道路の整備促進、公共施設の維持管理、公園の整備、スポーツ施設の整備、自然環境の保全等の生活環境の整備につきましては、基本計画を踏まえながら着実に進めてまいります。

 三つ目は、「学校と地域の教育環境の充実」であります。

 教育の分野では、核家族化、都市化、情報化の進展等を背景として、人々の生き方に対する価値観が大きく変化していることに伴い、地域の連帯感や家庭の教育力を再生し、子どもの基礎的な学力と情操を育む教育が求められています。

 さらに、教育現場では、いじめや不登校、非行問題など、さまざまな教育問題が深刻化しており、これらに対応していくためには、学校だけでなく家庭や地域社会との連携を強化していくべきであると考えます。

 私は、将来の佐倉を担う子どもたちの基礎的な学力と情操を育むことのできる教育の実践に向けて、教育環境を整備充実します。

 私の願いは、佐倉市に生まれ育った子どもたちが、第一として、日常生活においてあいさつができる、第二として、良識を持って、知的に、冷静に自己表現することができる、第三として、他人の命も自分の命もかけがえのない大切なものであることが理解できる、第四として、自他の敬愛と協力によって文化の創造と発展に貢献ができる、このような子どもたちの育成であります。

 この実現にむけた教育の整備充実を進めるとともに、いじめ、自殺、差別のない学校づくり、地域に信頼される学校づくりを推進してまいります。

 また、子どもたちを「地域で学び地域で育む」ことができる地域教育力を高める施策につきましても更に充実してまいります。

 四つ目は、「自治体としての経営改善のための事務事業の見直し」であります。

 限られた財源を最大限に市政に活かすために、行政組織内部の経費節減に努めるとともに、不断の行政改革の取組みを徹底してまいります。

 第1に、行政が現在取り組んでいる事業等について適切に評価し、その内容等について市民の皆さんに明らかにした上、見直しを行います。

 第2に、緊急度、必要度の高い事務事業の選定に努め、不要不急の事務事業について縮小または改廃を検討する中で、必要な行政サービスを実施してまいります。

 第3に、公共施設の維持管理につきましては、経済合理性の視点も考慮した経営的視点に立ち、施設を総合的に企画、管理、活用する方向で早急に検討いたし、長期的視点に立った維持管理コストの縮減を進めるとともに、市民の皆さんにとって魅力のある、価値の高い施設にしてまいります。

 五つ目は、「市民協働の自治運営の推進」であります。

 私はこれまで、多くの方々と出会い、貴重なご意見を伺う機会に恵まれ、その中で、佐倉市のまちづくりに対して多くの思いや期待があることを知ることができました。市民の皆さんから託された思いに応えるため、真摯に耳を傾け、反映できるものは反映してまいりたい、それが私の務めであると考えております。私は、いつも市民の皆さんの目線で考え、ともに行動したいと願っております。

 その第一歩として、市民や関係団体の方々のまちづくりに対する思いを伺う機会をなるべく多く持ち、日頃から感じている地域の課題を収集してまいります。また、そのような機会を通じて、地域に根付いた事業展開をする事業者、公益活動を推進するNPO・ボランティア、一線を退かれたシニア世代の方々、自治会・町内会等の地縁組織など、まちづくり活動に参加意欲のある方々の知恵と技術・経験の結集をお願いいたし、地域の課題に対しまして、官民協働で取り組んでまいりたいと考えております。

 地方分権への動きが本格化し、今まさに、地方の自立が求められている中で、健全な行財政運営のもと、積極的な情報公開、情報提供を徹底し、市民の皆さんにわかりやすい市政に努め、まちづくりに関心を持って参加していただき、そして協働していただく「市民協働による自治運営」をさらに推進してまいる所存であります。

 六つ目は、「財政状況の改善」であります。

 本年度から実施される所得税から地方税への3兆円規模の税源移譲によりまして、国庫補助負担金の一般財源化を柱とした、いわゆる三位一体の改革が終了いたします。しかし、政府は、平成23年度初頭を目途にプライマリーバランスの均衡を図ることを目標に掲げており、その際に必要となる国民負担の増加を最小限とするために、社会保障費、人件費、公共投資等の政府の支出を削減する方針であることから、国からの補助負担金の更なる削減、公共事業の削減など、今後、地方においても直接・間接的な影響がでてくることが懸念されております。

 税源移譲、景気の拡大に応じ、地方税収入は増加傾向にありますが、今までの景気低迷等による長期間の税収入の減少に加え、減税対策、さらには地方交付税の振替えとしての地方債の発行によりまして、地方全体では、平成19年度末には、借入金残高が約199兆円となる見込みであり、未だ高い水準にあります。

 大多数の市町村では、この借入金の返済は財政的に大きな負担となっており、また、高齢化の進展によりまして、社会保障や福祉関連の経費の増大が見込まれるなど、地方の財政運営は依然厳しい状況が続くものと考えております。

 佐倉市の財政状況を見ますと、歳入につきましては、税源移譲及び景気の拡大などに伴い市税収入は増加しているものの、減税対策や三位一体の改革による国庫補助負担金の代替として交付されておりました所得譲与税や地方特例交付金等の削減によりまして、一般財源では微増にとどまっております。

 一方、歳出におきましては、児童手当等の福祉にかかわる給付が依然増加傾向にあるほか、国民健康保険、介護保険等の特別会計への繰出金などの義務的な支出が増加し、財政の健全性を示す経常収支比率は、約96パーセントに達しております。また、今後、高齢化社会の進展に対応するための社会保障や福祉関連経費のほか、公共施設の改修などの行政需要の増大が見込まれます。

 このように財政状況が厳しい中にあって、限られた財源で最大の効果をあげて行くためには、不断の努力が必要であります。既存事業の見直しや財源の確保を進め、行財政構造の弾力性を高めるための継続的な財政改革を推進してまいります。

 七つ目は、「都市計画道路勝田台・長熊線志津霊園関連区間の道路整備に係る問題」であります。

 この問題は、佐倉市を東西に結ぶ幹線道路として計画された延長約13キロメートルのうち、上志津地区の約120メートルの区間に本昌寺所有の墓地があることから、その墓地を移転させて都市計画道路を建設しようとした際、志津霊園墓地移転対策協力会に佐倉市が支払った墓地移転に係る費用について使途不明金が発生し、実現が困難な状態となっているものであります。

 これまで佐倉市は、問題解決のための「真相の解明と損害の回復」、「都市計画道路の早期開通」という二つの課題に取り組んできました。

 私といたしましては、道路開通は佐倉市民の悲願であると認識し、関係者、議員各位をはじめ市民の方々の御理解、御協力を得ながら、事実の全容を明らかにしつつ毅然と交渉を行い、可能な限り早く道路の開通を目指し、全力をもって取り組んでまいります。

 先に申し上げましたとおり、本市の財政は、大変厳しい状況にありますが、課題を先送りせず、一つひとつ確実に解決していきながら、次の世代に確実に引き継ぐふるさとづくりを進め、「子育てしやすく・学びやすく・働きやすく・老後を過ごしやすい、活力ある佐倉」を創ってまいりたいと考えております。

 議員各位並びに市民の皆さんにおかれましては、格段の御支援と御協力を賜りますよう切にお願いを申し上げます。

 以上、市政を担当するに当たりまして、私の所信の一端を申し上げました。