所信表明 平成21年2月

  世界的な経済不況のなか、米国おいては、バラク・オバマ大統領が誕生し、新たな世界秩序への模索が始まっています。 一方、イスラエル、パレスチナにおける「ガザ紛争」による惨劇、あるいは、報道される人々の怒りと不安な眼差しなどを見ますと、平和都市として宣言をしている佐倉市の長として、あるいは、私人として、やりきれない思いを感じるとともに、平和への思いを改めて痛感いたしております。
 日本や米国、ヨーロッパなどの各国首脳が、自国の利益を超えて、世界平和への希求、地球環境の保全といった、世界的な課題に対峙し、全世界の人々が、わけ隔てなく、物質的な豊かさと精神的な豊かさを共有できる、心豊かな国際社会の構築に向け尽力されることを心から願うものであります。
 国内に目を転じますと、本年は、本県の知事選とともに、衆議院議員の総選挙を迎えることとなります。国政の混乱は、私たち国民に先行きの不透明感を抱かせ、日常生活、老後への不安などをより一層、駆り立てる原因ではないかと想像するところでございます。

 こうしたなか、国と地方は、共に抱える財政の健全化に向けて、懸命の努力をしておりますが、米国のサブプライムローン問題から端を発した世界経済の停滞・後退は、高騰した原油価格の激安、ドル安・ユーロ安に伴う円高、消費マインドの後退に伴う企業収益の減収などとなって現れ、昨年8月を境に、言いようのない閉塞感を多くの国民が感じているものと考えます。特に、昨年末からの非正規労働者の解雇、あるいは、新卒者の内定取消しなどの雇用不安は、私たち国民に、未だかつて無い不況感を増幅させております。

 私は、このような社会情勢のなかであるからこそ、医療・福祉・健康・防災など安心と安全な暮らし、あるいは、日々の買い物など日常生活の利便性の確保こそが、将来への安心と心の豊かさを産み出すものであり、市民の皆さんの共通の願いであると考えております。

 安定的な医療・福祉の提供は、健康を担保し、働く意欲、生きる力を生み出し、国民生活の基礎を成すものであるとともに、国の根幹を成すものであることから、その重要性は、大きく、欠かすことのできないものであります。生活の基本、基礎となる福祉・健康・教育に力を注ぎ、多くの方々と共に知恵を出し合い、一歩一歩、着実にその努力を積み重ねていくことによって、本市の持つ豊かな自然、並びに、歴史ある文化などを、次世代へ引き継ぐことができるものと信じ、このような思いを職員と共に持ち続けながら、現在そして将来にわたって、住んでよかったと誇ることのできるまちづくりを、議員の皆さん、そして、市民の皆さんと共に進めていく所存でございますので、引き続き、ご理解とご協力のほど、お願いをいたします。

 続きまして、当市の財政状況について申し上げます。
 国、あるいは、地方自治体は、急速に進む高齢化・少子化、人口減少社会の到来、市民意識と価値観の多様化による高度な市民ニーズなど、大きな変革のうねりの中に置かれております。
 このため、セーフティーネットの要である扶助費の増大は、避けられないものとなり、更に、国税と地方税の配分比率など不十分と認識せざるを得ない三位一体改革の影響と相まって、今後、更に厳しい財政運営を余儀なくされるものと、予測をするところでございます。しかしながら、こうした混沌とした社会経済状況を、単にマイナス要因としてのみ捉えるのではなく、健全で活力のある地域社会へ導く好機として捉え、果敢に乗り切り、市民の付託に応えていくことが、市長である私に課せられた使命であると受け止め、限られた財源を有効に活用すべく、公共サービスの量から質への転換、大胆にして細やかな施策の選択と集中などを図りつつ、堅牢な行政運営を進めてまいります。
 本市の財政構造を見ますと、市税収入が歳入の約67パーセントを占めるなど、基礎体力は一定程度あるものの、経常収支比率は、平成19年度決算において96パーセントを超えているのが実状でございます。
 このため、平成21年度当初予算編成におきましては、住民サービスの低下を招かぬよう留意しつつ、経常的経費の見直しを中心に、事務事業の縮小、凍結、あるいは、廃止を含めた総点検を全庁的に進めたところでございます。
 このような編成方針のもと、平成21年度の佐倉市一般会計当初予算は、対前年度比2.4パーセントの減、額にして9億1500万円減の369億5500万円となり、さらに各特別会計を合わせた全会計の予算総額は、対前年度比1.8パーセントの減、金額にして11億9498万2000円減の639億1818万1000円となっております。
 歳入につきましては、景気の低迷、団塊の世代の退職などによる生産年齢人口の減少等により、歳入の根幹となる市税収入が減少傾向と見込み、さらに、各種交付金なども減少するものと見込んでおります。
 一方、歳出につきましては、集中改革プランに基づく職員数の削減等により人件費の減少はあるものの、それ以上に少子高齢化へ対応する経費、扶助費や国民健康保険、介護保険などの社会保障関係経費が増加し、その結果として、実質約11億円の財源不足となり、歳出超過という状況であります。
 この財源の不足額を、財政調整基金を取り崩したなかで調製し、予算を組むことといたしましたが、更なる歳入の確保または経費節減の努力をしていく必要があると、改めて、感じているところでございます。
 従いまして、今後も、これまで以上に受益と負担のバランスを図りつつ、適宜、公共サービスの提供方法を創意工夫するなかで、市民の皆さんにお約束した政策を、着実に実行しうる体制を整えてまいりたいと考えております。

 次に、現下の財政状況を踏まえ、平成21年度における5つの基本施策、主な事業について、順次、述べさせていただきます。

 第1の基本施策は、「安心できる高齢化・少子化時代の福祉の充実」であります。
 福祉施策は、私の市政運営において、基本となる施策であるとともに、市民の生活の基礎となるものであり、その重要性は、益々、大きくなるものと考えます。
 平成20年度は、乳幼児医療費の助成拡大、学童保育所の整備、集中改革プランの見直しによる敬老祝金や母子家庭関係経費の支給継続など、多岐にわたり、施策の充実を図ってまいりましたが、今般の経済不況に伴う閉塞感、不安感を払拭するためにも、生活の基礎となる福祉施策については、平成21年度も、引き続き、中・長期的な視野に立脚し、重点的に進めてまいります。

 初めに、高齢者福祉について申し上げます。
人は誰でも歳を重ね高齢者となりますが、生涯、健康で安心して暮らし続けたいと願っております。私は、その願いを実現するため、高齢者の方々をはじめとして市民の皆さんが病気になったとき、困ったときには、公共あるいは地域がしっかりと支え合える、そんな心の通う地域づくり、まちづくりを進めなければならないものと考えております。
 本市の高齢化率は、毎年1パーセント強の割合で急速に進んでおり、平成21年1月末現在で、20.25パーセントという状況であります。更に第3期佐倉市高齢者保健・福祉・介護計画によりますと、平成27年度には26.8パーセントに達するものと推計されているところでございます。このような高齢化社会の本格的な到来に向け、高齢者の方々が生き生きと暮らし、活動するための土台となるのが健康であります。
 平成21年度におきましては、平成20年度から導入された、特定健診・保健指導による現役世代からの生活習慣病の予防対策に加え、高齢者の介護予防の拠点となる地域包括支援センターを、委託事業により、市内5か所で開設し、きめの細かいサービスと総合的、かつ、質の高い介護予防支援事業を進めてまいります。また、JR佐倉駅のエレベータを設置する鉄道事業者に対しまして、事業費補助を行い、高齢者をはじめとする障害を持つ方すべての人に優しい公共空間として、バリアフリー化を推進してまいります。
 次に、少子化時代における子育て支援について申し上げます。
 将来にわたり、佐倉市が元気で活力のあるまちであり続けるためには、次世代を担う子どもたちを、安心して産み育てる環境を整える必要がございます。特に、当市は、合計特殊出生率が1.11と、県及び全国平均と比較いたしまして、低い状況にありますことから、子育て世代のための工夫が、特に重要であると認識しております。
このため、平成21年度におきましては、まず、市の子育て支援施策を網羅する「佐倉市次世代育成支援行動計画」の後期計画を策定し、向こう5年間にわたる子育て支援全般の具体的施策を明らかにしてまいりたいと考えております。
 また、子育て支援の中核的施設である保育所につきましては、夫婦共働き世帯の増加、あるいは、核家族化などによりまして、依然としてその需要が増加傾向にあり、本年2月1日現在で、待機児童が132名という状況にございます。
 平成21年度におきまして、王子台地先に平成22年度開園予定の民間保育園との具体的な協議を進めるとともに、築60年を経過し、老朽化した馬渡保育園の建替えに向けた調査設計などを実施いたします。なお、調査設計におきましては、待機児童の解消に向けた入園枠の拡大等によりまして、仕事と子育ての両立を支援してまいります。また、市立保育園の管理運営形態につきましては、今後の方向性を整理してまいりたいと考えております。
 学童保育所につきましては、平成20年度事業として新たに6か所開設いたしましたが、平成21年度も引き続き、未整備地域である弥富地区に設置いたしまして、放課後におきましても、子どもたちが安全で楽しく過ごせる環境を整備してまいります。
 また、乳幼児医療費の助成につきましては、平成21年度においても継続する中で、乳幼児保健の充実と保護者の経済的負担の軽減を図ってまいります。

 第2の基本施策は、「暮らしやすい生活環境の整備」であります。
財政状況が厳しいなかにあっても、暮らしやすい快適な生活環境を維持・向上させることは、明日の佐倉市の基盤を創造するために不可欠なものであります。市民の日常生活における切実な思いを受け止め、道路、下水、治水、公園、緑地、環境問題、防災など、将来を見据えた、都市基盤の整備や改良、自然環境の保全等を進める必要があるものと考えます。

 初めに、道路整備について申し上げます。
平成17年より暫定供用しております市道1-32号線における生谷地先の交差点改良工事が、今春完了するめどがたち、全線開通することとなります。このことにより、国道296号等の渋滞緩和に寄与するとともに、本市における東西を結ぶ幹線道路が整備され、都市圏域の一体性が、より一層強化されるものと考えております。また、平成22年度開催の国体カヌー競技会の会場などへのアクセス道路となる市道1-42号線の整備につきましては、平成20年度に引き続き、下根地先、臼井田地先の道路改良工事、用地買収等を進めてまいります。
 さらに、城下町の景観を色濃く残す市道1-49号線、通称佐倉新町通りの電線地中化を進め、城下町としての景観を保全するとともに、高齢者、障害者をはじめとして誰もが安心して外出できるように、極力段差の少ない歩行者空間、あるいは、交通安全の確保などを図ってまいります。

 次に、下水道の整備や治水対策について申し上げます。
これまで、たびたび、水害に見舞われた高崎川の排水施設整備及び高野川の排水路整備等を実施し、近年のゲリラ豪雨と称される都市型集中豪雨に対する総合的な治水対策を進めてまいりますとともに、公共下水道の整備については、普及率及び水洗化率のさらなる向上を図り、市民生活の充実、印旛沼の浄化に努めてまいります。
 道路、あるいは、水路は、都市の骨格を形成し、活力ある経済活動や快適な日常生活を支え、住みやすい住環境を創造する上で、重要な都市基盤でございます。とりわけ道路は、災害時の避難路、物資供給路ともなりますことから、今後とも、円滑な交通環境、景観等にも配慮し、幹線道路・生活道路の体系的な整備を、財政状況を勘案するなかで、計画的に進めてまいりたいと考えております。

 次に、緑地等の保全・整備について申し上げます。
農地も含めた緑の保全・育成や、環境問題などに取り組むことは、都市と自然が共存する潤いのあるまちづくりを実現するために、必要な要素であると考えております。豊かな緑は、当市の特徴でもございます。
 緑地の保全・公園関係の整備につきましては、(仮称)佐倉西部自然公園の整備にあたり、調査測量等を引き続き進めるとともに、北総台地の代表的な自然環境ともいうべき谷津環境の保全を進めるために、公園予定地内に残る、下志津畔田谷津の維持管理、遊歩道の整備等を官民協働で進めてまいりたいと考えております。また、チューリップまつりや市民花火大会、平成22年度開催の国体カヌー競技会の会場となる佐倉ふるさと広場の休憩所整備、さらに、平成23年度完成を目標とする岩名運動公園の多目的グラウンドの整備工事なども、継続して進めてまいります。

 次に、環境問題について申し上げます。
 平成20年の先進国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)でも、2013年以降の温室効果ガスの排出削減目標が、主要議題となるなど、地球規模の環境問題がますます深刻化し、近年は、ヒートアイランド現象や都市型集中豪雨、気候変動による農作物への影響など、温暖化による環境変動が市民生活にも影響を及ぼし始めていると理解しております。
 このため、本市の取り組みといたしまして、平成20年に策定いたしました佐倉市地球温暖化対策地域推進計画に基づき、脱温暖化社会の構築を目指し、市域における省エネルギーの推進や、温室効果ガスの排出抑制など、地域レベルでの地球温暖化防止のための啓発活動を推進してまいります。
 さらに、循環型社会の形成を目指すべく、家庭ごみの処理費用の負担のあり方の検討や市内小中学校の給食残渣リサイクル、ペットボトル等の収集拠点の拡大等を実施し、ごみの減量化、リサイクルの啓発等につきましても併せて実施してまいります。
 ふるさと佐倉の原風景とも言うべき、印旛沼の自然環境を保全することは、私たち佐倉市民の一つの願いであります。しかしながら、都市化の影響等により、印旛沼の水質は、飲料水源としての湖沼では、全国ワースト1位という不名誉な状況にございます。この問題は、本市だけの取組みでは、解決困難な大きな問題であり、佐倉市を含む流域15市町村と連携をするなかで進めていく必要がございますが、本市においては、2017年度を目標年次とする、今春公表予定の「佐倉市生活排水対策推進計画(改訂版)」に基づきまして、公共下水道の整備や高度処理型合併処理浄化槽の設置補助、家庭でできる生活排水対策への支援等、水質悪化の大きな要因である生活排水対策を総合的に進めてまいるとともに、流域市町村と連携し、地域全体での意識向上に努めてまいりたいと考えおります。

 次に、防災について申し上げます。
平成20年は、海外においては中国四川省での大地震、国内においては岩手・宮城内陸地震が発生し、改めて自然災害の脅威と、それに対する都市の脆弱性を再認識したところでございます。
 佐倉市では、これまで、災害に強いまちづくりを進めるべく種々の施策を実施してまいりましたが、平成21年度においては、更に迅速な対応を進めるために、地震・災害などの緊急情報を、人工衛星により瞬時に市民に伝達する全国瞬時警報システムの導入や、防災行政無線、防災井戸等の整備など、防災施設整備の強化を進めてまいります。

 第3の基本施策は、「次世代を担う青少年の育成」であります。
私は、新しい時代を切り開いていく原動力となるのは、教育であると考えております。
 人づくりの基本である教育施策につきましては、将来にわたって、佐倉市、ひいては我が国の将来を担う子どもたちが、佐倉で学んでよかったと感じられるよう一層の充実と強化を進める必要がございます。
 幸い佐倉市は、歴史・自然・文化といった教育的資源に恵まれているとともに、多くの先覚者を輩出しております。
 佐倉学をはじめとする、多くの資源を生かした特色ある教育を進め、佐倉教育ビジョンで掲げられた、「佐倉に愛着と誇りを持つ人」、「自ら考え、進んで行動する人」、「豊かな心と創造力に富む人」の育成に向け、各種の施策を、さらに推進してまいります。
 また、教育の場である校舎、体育館など教育施設の安全性の確保も必要となります。このため、教育施設の整備につきまして、厳しい財政状況ではございますが、教育環境の向上と耐震化を計画的に進めるため、耐震診断結果に基づく和田小学校の校舎の補強工事及び志津中学校における体育館の改築工事を実施するとともに、臼井小学校の体育館における増改築工事に向けた設計等に着手してまいります。本市の耐震化率は、平成21年度末には、小学校で63.9パーセント、中学校で81.4パーセント、全体で69.3パーセントに達する見込みであります。

 このほか、市民の皆さんの健康で心豊かな生活を推進するため、学習機会拡充の一環といたしまして、公民館の整備事業がございます。建替え工事を進めてきた弥富公民館につきましては、平成21年度にリニューアルオープンいたします。今後、地域交流の場として、地域の生涯学習を支える拠点として、あるいは、都市と農村の交流の場として、弥富小学校における小規模特認校の取組みと合わせて、南部地区の活性化に資する施設として、地域の皆さんのみならず多くの市民の皆さんにご利用いただきたいと存じます。

 基本施策の第4は、「産業経済の活性化」であります。
冒頭で申し上げましたとおり、米国発の金融恐慌は、世界的な経済不況へと広がりを見せ、地方経済にも、大きな、暗い影を落としております。
 この経済不況は、本市においても例外ではございません。国における各種の臨時的施策の要件等を検討し、利用可能な施策は積極的に活用し、現在の経済状況を足元から見つめ、中・長期的な視野に立ち、地域経済の活性化に向けた施策を適宜推進していく必要があると強く感じております。
 このため、平成20年度一般会計補正予算案として、中小企業に対する資金融資枠の拡大をお願いしているところでございますが、平成21年度におきましても、現下の厳しい経済情勢などを勘案し、市内に立地した企業への企業誘致助成制度とともに、引き続き、実施してまいりたいと考えております。加えまして、佐倉市の産業振興の基本的方向性を明らかにする(仮称)佐倉市産業振興条例を策定するなどいたしまして、地域の活力、商工業の振興を通じた地域の雇用機会の確保、農林水産業の担い手不足の抑制等に資する施策を、提案してまいりたいと考えております。
 また、平成20年は、日米通商修好条約締結に尽力した佐倉藩主堀田正睦公を偲び、「佐倉市開国150周年記念事業」として、展示会・講演会等、さまざまな事業を佐倉市において開催し、市内外の多くの方々に、当市の歴史と文化、あるいは当市の特徴などを紹介することができました。そして、本市のこれまでの歴史、先人達の偉業などを振り返りながら、先覚者に学び、当市の魅力を再認識することができたと同時に、将来のまちづくりについて、思い描くことができた1年であったと思うところでございます。また多くの市民の皆さんの「我がまち佐倉」を愛する思いを感じることができ、市政発展のために、より一層の努力をしなければならないと意を新たにした次第であります。

 平成21年は、徳川家康公がオランダに朱印状を交付し、交易を開始してから400年という節目の年となるため、これまでチューリップまつり等オランダに因んだ交流事業を進めてきた本市におきましても、日蘭交流400周年を記念する事業を実施してまいります。
 記念事業といたしましては、市民音楽ホール、市立美術館等でのオランダの文化等を紹介する各種講演会、企画展、映画の上映などに加え、団体協力による公募での市民オランダツアーを予定しております。こうしたイベントを通じて、オランダと佐倉の歴史を振り返るとともに、佐倉の歴史的・文化的魅力を市内外に広く発信することで、当市の活性化の一助となるよう結び付けてまいりたいと考えております。
 なお、従前より本市の集客力の高い観光事業として、チューリップまつりと市民花火大会がございますが、本年も、引き続き実施し、当記念事業と経済的な相乗効果の創出を期待するものであります。

 次に、農業振興について申し上げます。
 当市の基幹産業は、農業でございます。農業振興における新規事業といたしまして、農業者の高齢化や担い手不足による耕作放棄地を解消し、農業の規模拡大を推進するため、農地の利用集積を進める農業者に対し、支援を行ってまいりたいと考えております。
 また、平成20年に実施いたしました、農業活性化を目指した農業フォーラムを中心に、各種イベントを開催し、農業を含む産業振興策を推し進めてまいります。その際には、佐倉商工会議所や観光協会、農業協同組合、さらには日蘭協会などの関連団体、農業委員会等の関係機関、地元農家などと連携を深めながら、効果的、かつ、速やかに進めてまいりたいと考えております。

 農業体験や市民の憩いの場として設置しております佐倉草ぶえの丘につきましては、これまで、バラ園の開設など、その集客に向けた整備を適宜進めてきたところでございます。しかしながら、開園から30年目を迎え、施設の各所において、老朽化が進んでおる状況にございますことから、さらなる利用者満足度の向上と安全性の確保を図るために、順次、園内整備や経年劣化に伴う施設の改修を進めてまいります。

 基本施策の第5は、「志津霊園問題」であります。
 当市の大きな懸案課題となっております、勝田台長熊線志津霊園区間の関係でございます。
 この問題は、佐倉市を東西に結ぶ幹線道路として計画された延長約13キロメートルのうち、上志津地区の約120メートルの区間に墓地があることから、その墓地を移転させていただき都市計画道路を建設しようとした際に、佐倉市が支払った墓地移転にかかわる費用について、使途不明金が発生し、現在も未開通となっているものでございます。これまで佐倉市は、問題解決のための真相の解明と損害の回復、都市計画道路の早期開通という2つの課題に取り組んでまいりました。
 この未開通部分の大部分を占めている本昌寺との交渉につきましては、平成20年の1月8日に私が直接本昌寺住職と交渉して以来、問題解決を目指した、前向きな話し合いが進められているところであります。平成21年1月30日には本昌寺との間で、最終合意に向けての骨子が固まり、墓石等移転補償費の算定基準は平成21年度単価を採用すること、最終合意書の締結時期は平成21年11月をめどとすること、代替地造成の工事着工時期は平成22年2月をめどとすること、などを相互に確認し、書面にて調印いたしました。
 このほか、過去に締結された他の寺院との協定書等の課題の解決、専福寺の用地取得、5か寺共有名義である参道部分の用地取得なども並行して進めてまいります。
 私は、この区間の道路を開通させることが佐倉市民の悲願であると認識しております。今後とも関係者、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解、ご協力を得ながら、毅然とした態度で交渉に臨み、この問題の早期解決、道路開通を目指して、引き続き全力で取り組んでまいります。

 以上5つの基本施策に沿って、新年度の主な事業について述べさせていただきました。
 これらの基本施策に基づく事業を着実に実行していくためには、市の行財政の効率的運用は言うまでもありませんが、効率化に向けた更なる改革の手法について、研究していく必要がございます。
 このため、引き続き、行政運営の効率化の一環として、ファシリティマネジメントによる市有建築物の効率的管理を、全庁的に、進めていく考えでおります。平成21年度においては、省エネルギーの推進及び施設の維持管理コストの削減を図るべく、平成22年度からのエスコ事業による、庁舎等の劣化した空調機等の更新に向け、公募条件等の準備・検討を進めてまいります。
 また、市のまちづくりの方向性を示す第4次の総合計画の策定にあたり、策定のための審議会を立ち上げ、平成20年に実施いたしました基礎調査の結果をもとに、計画に盛り込む施策・事業の取りまとめを進めてまいります。

 佐倉市が直面するさまざまな課題の解決のためには、議員各位、市民の皆さんのご協力と行政の努力とを重ね合わせて、取り組んでいく必要がございます。戦後日本の世界に類をみない経済的発展を支え、企業戦士と言われた団塊の世代の方々が、退職を迎え、地域社会に戻りつつあるなかにあって、これまでの市民協働の取り組みと、蓄積された市民の力を活かし、市民、団体、事業者、行政など多様な主体が、対等な立場で役割を分担しながら、ともに智恵を出し合い、汗をかき、さまざまな課題解決に取り組んでまいりたいと考えております。
 佐倉市は、歴史性と先端性を合わせもつ、無限の可能性を秘めた素晴らしいまちでございます。
 現在の変化の多い社会情勢のもと、さまざまな不安を抱えていらっしゃる市民の方も多いと思いますが、私は、この5つの基本施策が、佐倉市の可能性を引き出し、さらなるステップアップをするために必要な施策であると信じ、市民の皆さんの心の豊かさと安らぎ、そして、佐倉に暮らす幸せを実感できるまちを創出していくために、微力ではありますが全力を傾注する所存であります。
 私は、誰もが希望をもって安心して住み続けることができる佐倉市を目指し、私たちのまちの夢の実現に向け、市民の皆さんとともに、誠実に、信念をもって歩んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆さんのご支援とご理解をいただきたく、重ねてお願いをいたしまして、私の所信といたします。