所信表明 平成22年2月

  本日、ここに2月定例市議会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましてはご出席を賜り、心から感謝を申し上げます。
 平成22年佐倉市議会定例会が開催されるにあたり、私の所信の一端を述べ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 昨年、対話と協調を行動原則とする米国オバマ大統領が、国際平和への貢献として、就任1年目にして「ノーベル平和賞」に輝きました。核なき世界を目指すことは、平和宣言都市の市長として、大変喜ばしく感じるものであり、同時に、米国オバマ大統領の受賞が、真の「国際平和」へ向けた大きな歩みとなることを期待しているところであります。当市といたしましては、平和な都市を希求すべく、関連の啓発活動に引き続き努めてまいりたいと考えております。
 国内に目を転じますと、昨年は戦後初めての本格的な政権交代がなされ、新たな時代の到来を感じさせる1年でありました。 こうした中、新政権において、地域主権の確立を目指すべく、地方が主体的に行動するための考え方を検討する「地方行財政検討会議」が設置され、更なる地方分権の取組が進められることとなりました。今国会における地方自治法改正の検討事項を見ますと、公会計制度の見直しや、行政機関の共同設置など、地方が良識と責任に基づく国づくりに向けて、推進されていくことがうかがえます。
 今日の日本社会の繁栄は、これまでの多くの国民の努力の積み重ねによります。私たちは、今日まで築き挙げた「豊かさ」と「平和」を、更に成熟させ、将来の青少年に引き継いでいかなければなりません。このため、私たち現役世代が、今、何をなし得るのかを考え、そして来たる「地域主権社会」に向けた各種施策を積極的に進めていくべきと考える次第です。
 一昨年来の経済的な混迷、世界あるいは日本社会の変化など私たちが今置かれている状況は、過去の経験や反省によるわずかな修正では乗り切ることが困難な時代ではありますが、市民の皆さんとともに、当市の将来を考え、行動する時であり、又その必要性を強く感じるものであります。私は、当市に暮らす市民の皆さんそして当市を一生の住まいの地と思う方々が、心地よく、安心・安全に、その人らしい暮らしができるまちを目指してまいります。
 さらには、佐倉市が持つ豊かな自然と伝統文化や芸術、歴史性などを背景とする中で、更なる飛躍を成し遂げ、魅力あふれるまちを創造してまいります。
 そのためには、私の市政運営の重点分野である福祉、健康、教育に引き続き力を注ぐ中で、地域活性化につながる生活基盤の充実、あるいは安心・安全につながる施策を展開してまいります。 平成22年度の市政運営に当たりまして、市民の皆さんにお約束した施策、福祉、健康、教育、地域産業経済及び生活環境の充実など、次世代の佐倉市につながる施策を着実に実行してまいりますので、議員各位におかれましても、更なるご協力とご理解を賜りますようお願い申し上げます。ただ今申し上げたまちづくりを進めるに当たり、いくつかの視点に沿って、以下、今年度の基本方針を申し上げます。

 第一の視点は「連携」であります。

 この「連携」には、「人の連携」と「地域間の連携」の2つの連携がございます。  今後の行政運営は、行政のみならず、市民、地域、NPO、民間企業などがそれぞれの特性を活かして、情報の共有化を図りながら、互いに支え合い連携していくことが大切であり、特に、NPOのような活動は、今後、地域を支える大切な力であると考えます。
 一例を申し上げますと、近年急増している振り込め詐欺などの高齢者を狙った犯罪、災害時の独居老人の避難介助の課題などに対しては、地域ぐるみの防犯意識の高揚、災害情報の提供など、多様な主体による「互助」の仕組みを構築することが求められると考えます。また、定年退職した市民の皆さんは、高い能力と実績をお持ちの方が数多くいらっしゃいます。こうした人材を掘り起こし、できるだけ地域社会に貢献していただくことが、地域を支える大きな力になるものと考えております。  これらのことを念頭に置き、平成22年度におきましては、「ふるさと雇用再生特別基金」を有効に利活用し、犯罪などが増加傾向にある地区の防犯パトロールの実施など安全なまちづくりに努めるとともに、市民公益活動サポートセンターを通じ、地域を担う人材の掘り起こし、NPO団体間の連携など協力体制を強化し、「人の連携」を図ってまいります。
 また、高齢化社会においては、コンパクトなまちづくり、いわゆる徒歩圏内に一定水準の都市機能を備えたまちづくりが求められております。しかしながら、佐倉市全体に目を向けますと、当市は、元々分散型の都市構造であり、各地域単位でコンパクトなまちづくりが進められてきました。
 このことは、個性豊かな地域の創造につながる一方で、「地域間の連携」がやや弱く他の地域にある施設等の利用という点では不便な状況にございます。
 各地域の利便性等の居住環境の向上に努めることはもちろんでございますが、一定水準の都市機能が整備されるまでの間は、既存施設を有効に活用し、各地域が足りない機能を互いに補完し合うことも必要と考えます。このような地域間の有機的な連携軸-動線-の強化といたしまして、地域間の移動手段の基盤整備に努め、「地域間の連携」を図ってまいります。
 このため、平成22年度におきましては、都市計画道路井野・酒々井線、太田・高岡線、並びに市道1-49号線など、主要幹線道路の整備を行うとともに、公共交通対策として、和田・弥富地区のバス路線存続のための事業者補助、あるいは交通不便地域の解消への施策などを行ってまいります。
 また、当市における最大の懸案事項とも言える「都市計画道路勝田台・長熊線」志津霊園区間につきましては、議員各位のご理解を賜り、昨年末に本昌寺と最終合意を締結いたしました。引き続き本年は、人員の増強など組織の強化を図り、墓地利用者との個別移転補償契約、専福寺など4か寺との協議などの所要の手続きを速やかに進め、志津霊園近くにお住まいの市民の方々の安心・安全の確保、あるいは地域間の連携のため、早期開通に向け、全力で取り組んでまいります。

 第二の視点は「予防」であります。

 現在世界各地で新型インフルエンザ予防対策が進められているところですが、市民の皆さんが将来にわたり活力を維持するためには、地域に住む方々の心身の健康が大前提でございます。
 そのため、生活習慣病予防、介護予防に重点を置いた成人や高齢者特有の病気の防止に取り組み、健康の増進を図ります。
 また、「病は気から」と申しますように、「心の健康」にも配慮いたしまして、相談支援の充実を図るとともに、障害者の就労支援・生活の場の確保、グループホーム運営費等補助の拡大及び子育て世帯への支援などの施策により、誰もが健康で安心して暮らせるような地域社会の構築を推進します。
 このため、平成22年度におきましては、千葉県認知症地域支援体制構築モデル事業の推進、乳幼児医療費助成及び特定疾患見舞金支給等の経済的支援制度の対象の拡大など保健予防体制の強化を図るとともに、知的障害者の庁内における就労の推進などのほか、医療・保健・福祉各分野の連携が必要となる精神障害者の相談体制の強化、さらに、京成臼井駅のバリアフリー化に対する事業者補助を行いまして、高齢者や障害を持つ方に優しい、安心安全なまちづくりを推進してまいります。

 第三の視点は、「収入の確保及び収入構造の転換」であります。

 当市の年齢別人口構成から推察いたしますと、今後急速に生産年齢人口(納税者)が減少し、行政サービスの財源の基礎となる住民税等が著しく減少する一方、高齢者の増加による介護保険や国民健康保険といった医療保険制度会計が増加し財政的な圧迫が予測されるところです。 このように予測される市税収入の減少に対しましては、先ず、税の公平性という観点から、約50億を超える未収債権の徴収強化が必要と考えます。
 また、首都圏域、空港隣接地域という地理的な優位性を活かし、市外部からの産業活力を積極的に誘致するほか、当市の持つ歴史・文化など魅力ある地域資源を活かした産業観光の取組を支援することで、法人税収の拡大を図り、個人部門にやや偏りのある税収構造を転換させつつ、地域の雇用機会の確保に努めてまいります。
 このため、平成22年度におきましては、課税資料の電子化推進、債権回収に係る技術、経験等を有する徴収指導員等の導入や、市税事務所の設置による組織改編により、未収となっている債権を履行していただけるような総合的、効率的な徴収を図ります。
 また、昨年制定致しました「佐倉市産業振興条例」に基づく「(仮称)佐倉市産業振興ビジョン」の策定を進め、当市の約75%を占める市街化調整区域を中心に、緑と豊かな自然環境と調和させながら、新たな企業誘致の戦略をより具体的に提案し、農業生産基盤整備事業、中小企業資金融資基金の増額及び企業誘致事業など地域活性化と生産年齢人口の減少に向けた施策を鋭意進めてまいります。

 第四の視点は、「選択と集中」であります。

 我が国の社会経済の推移は、短期的な見通しもまだ上向きにいたらず、今後の中長期的な見通しにおいても、国のかたちや国民生活のあるべき姿の議論、そして、税を中心とする国民負担のあり方なども含め、将来の道筋がつきにくい状況が続いています。
 このような中、市税収入の減収に伴う市民の皆さんの日常生活の基本的行政サービスへの影響が極力生じないようするためには、今まで以上に事業の整理合理化を進めることが必要です。限られた財源を有効活用するために、行政評価制度に基づく事業選択を進め、より優先度の高い事業に集中的に投資していく体制を構築してまいりたいと考えます。
 また、不断の行財政改革も必要です。このため、第5次行財政改革を平成23年度より始まる総合計画と整合性を図りつつ進めてまいります。平成22年度はその準備の年として捉え、第4次行財改革の未達成項目のフォローアップと当市のファシリティマネジメントの強化を含めた次期行財政改革の目標策定を進め、更なる行政サービスの効率性、利便性の向上に努めてまいります。

 第五の視点は、「世代間の負担の公平及び次世代への投資」であります。

 本市における10年後の人口推計は、現在施工中の区画整理などの社会増加を見込んだとしても、現状維持、あるいは減少するものと推測しております。
 また、年齢別の構成比では、生産年齢人口がこの10年間で約9%減少し、65歳以上の高齢者人口が約11%上昇していくものと予測しております。
 主な納税者となる生産年齢人口の減少は、財源の中心となる個人住民税等の減少につながり、高齢者の増加は、介護保険や国民健康保険といった医療保険制度会計の財政的圧迫及び高齢者自らの負担となって現れます。こうした予測される人口構成の変化に伴い、社会的経費の世代間の負担ができる限り公平となるよう、行政全般にわたり長期的な展望が必要となります。
 行政運営に携わるものの使命は、現在の足下の課題を解決するとともに、次世代への責任を同時に背負うものであると考えます。また、地域社会が健全に成長し、持続し、佐倉の未来を担う世代が希望を持って将来もこの地に住み続けるためには、次世代への投資が必要であるとも考えております。
 このようなことから、私は、ファシリティマネジメントによる箱物経費の最小化と借入金の返済を早期に進めること、佐倉の未来を託す人づくりの場、とりわけ、学校現場に対し一定の財源を充当し、投資を行うこと、印旛沼や佐倉城址をはじめとする豊かな自然環境と歴史資源の保全を市民協働により進め、次世代に継承することなどが、私が果たすべき喫緊の課題と受け止めております。
 私は、世代間の負担の公平化を図るため、ファシリティマネジメントの基本方針に基づき、本庁舎へのエスコ事業の導入や公共施設の用途について使用調整を行うなど、真に必要な施設資産の厳選・保有・長寿命化を進めてまいります。加えて、行政事務全般のマネジメントへ発展させることができるよう、人員の強化と組織の充実を図ってまいります。 また、次世代を担う人への投資として、就学前世代のために、認可外保育施設への支援、老朽化した馬渡保育園の整備、委託によるファミリーサポートセンター事業、母子家庭・父子家庭への支援など、子育て環境の総合的な支援と充実を進めてまいります。
 学校教育関係につきましては、小中学校の校舎の耐震改修等を引き続き計画的に実施し、安全安心な施設環境の整備を進めます。
 このため、平成22年度におきましては、臼井小学校や志津中学校の体育館の改築工事などを予定しております。これにより全体の耐震化率は、約70%を超える見込みでありますが、今後とも引続き計画的に耐震改修を実施してまいりたいと考えております。
 このほか社会教育の分野におきましては、国指定の本佐倉城跡の保存整備計画を策定し、文化財の保全・活用を図るとともに、佐倉城の築城開始から400年を記念とする、「佐倉・城下町400年記念事業」を開催し、「歴史のまち佐倉」として、観光振興等地域経済の活性化を含め、将来世代への歴史資源の継承と臼井、志津地区を含む佐倉市全体の歴史を市内外に発信してまいりたいと考えております。

 以上、5つの視点から、今年度の基本方針を申し上げました。  地方分権は、今後急速に進むことが予想されます。地方自治体の自由度の向上、義務付け・枠付けの見直し、条例制定権の拡大など、真に地方が、自己責任のもとで自立し、地域、国を構成する時代を迎えます。
 地方が地方の持つ特色、特性を生かし活発な自治運営をするためには、財源の確保はもとより、地方に法制執務に通じた人材の確保と育成、将来の地域を担う子どもたち青少年の育成など数多くの課題を、自主性、自立性のもとに行うことが必要となります。
 そのような意味で、市といたしましては、自治の基本理念や市政運営の基本原則を定めた「(仮称)佐倉市自治基本条例」の制定作業を進めてまいりたいと考えております。また、市の将来の姿を示す「第4次総合計画」の策定を進め、ふるさと創造の未来図を設計してまいります。 地方は、少子・高齢化、教育の充実、地域経済の活性化など解決すべき課題が数多くあります。議員各位、並びに市民の皆さんと協働し、合意形成を得ながら、高い目標に向かい、信念と責任を持って、誠実に取り組み、理想の実現に向けて努力してまいります。
 佐倉市のさらなる躍進のため、議員各位並びに、市民の皆さんのご理解とご協力を重ねてお願いいたしまして、平成22年度の所信といたします。