所信表明 平成26年2月

本日、ここに2月定例市議会を招集しましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜り、心から感謝申し上げます。

本定例会にあたり、当面する行財政運営に係る諸課題及び諸施策につきまして、その概要と私の市政運営に対する所信の一端を申し上げます。

第2次安倍内閣の進める経済財政政策により、日本経済は、長年に亘るデフレから脱却の兆しが見え、景気は上向いて参りました。上場企業等では業績が回復し、過去最高の営業利益を出す企業も出ております。政府による1月の月例経済報告では、遅れていた設備投資でも持ち直しの動きが目立ってきたとされ、個人消費についても、2ヶ月連続で上方修正されております。

一方、経済の好循環が更に継続するために必要な、個人所得の上昇は、依然伸び悩みの状態であり、消費税の引き上げを控えて、消費者心理に足踏みが見られるとの消費動向調査の結果もございます。消費の減速が予想される4月以降に、いかに景気の回復基調を保てるかが課題であると思われます。大企業は、賃上げの方向とはいえ、中小企業には余裕がない所も多いとの話もございます。この春の労使交渉において、どの程度の賃金上昇があり、それが経済にどのように好影響を与えるか注目をしているところでございます。

平成26年度の佐倉市財政を予想しますと、経済の回復と消費税増税により、一般財源収入は増加する見込みでございます。しかし、今後、総人口が減少する中で、高齢化が急激に進むことに変わりはない状況であり、このままでは市税収入の減少などにより、中長期的には財政状況の悪化が危惧されるわけでございます。それを解決する為にも、佐倉市総合計画に掲げる、豊かな歴史文化や恵まれた自然環境などの当市の強みを活かし、住み続けたい、訪れたい、住んでみたいと思えるまちづくりを推進し人口の維持を図る必要があると考えているところでございます。

また、平成26年度は、私の市長としての2期目の任期のまとめの年となります。市政マニフェストで市民に約束をした事項については、その多くを達成し、また道半ばのものについても、大きく前進をしていると考えておりますが、この1年で更なる推進が図られるよう全力で取り組む決意でございます。

平成26年度の施策として、まずは、「市民生活の安全、安心の確保」に注力をして参ります。

首都直下地震も想定される中、東日本大震災の経験を踏まえた地震対策を進めて参りましたが、これを更に推進いたします。特に災害時に避難所となる学校施設の耐震化につきましては、平成26年度及び27年度に事業量がピークを迎えることとなります。残る15校22棟への対策を早期に完了するように進めて参ります。市役所庁舎については、耐震補強工事にあわせて、老朽化が著しい給排水及び空調設備の更新を行うこととしております。

建設需要の急激な高まりによる、資材の不足及び価格の高騰、並びに技術者の不足等により、昨年から、各地で公共建築工事の入札不調が続出する緊急事態となっておりますが、発注方法等を見直すなどの対策を立て、他に優先をして、耐震化工事が進捗するように努力をして参ります。

 災害時の情報伝達につきましては、防災行政無線を軸に、ケーブルテレビ296やベイエフエムとの協定の締結、災害時FM放送体制の整備、防災ラジオ、メール配信、ホームページ、ツイッターの活用など、情報伝達手段の拡充を図って参りました。このうち基幹となる防災行政無線については、平成34年までにデジタル方式への移行が必要とされていることから、対応する機器への更新を進めて参ります。このほか、自主防災組織の組織率向上や地域まちづくり協議会の設立支援及び連携の強化など、地域での防災活動における自助、共助の促進に力を入れて参ります。

 次に治水対策でございます。昨年は、市内でも台風26号により、住宅の床上・床下浸水など多くの被害が発生いたしました。これを踏まえ、千葉県を始め関係機関の協力を得ながら、治水対策の再点検を行って参ります。また、被害が顕著であった高崎川流域では排水ポンプを増設し、生谷地先におきましては、不具合のあった調整池を撤去し跡地の整備を行うとともに、隣接の調整池を改修して容量を確保するなどの対策を早急に進めて参ります。

 原子力発電所の事故による放射線への対策につきましては、佐倉市は比較的放射線量の低い地域であることは、事故直後から判明しておりましたが、市民生活の安全に万全を期すため、国よりも厳しい対策目標値を設け、更には特別措置法に基づく国の汚染状況重点調査区域の指定を受け、子ども達が多く使用する施設を中心に対策を実施して参りました。現在、放射線量は更に低減しておりますが、念には念を入れ、雨どいの下など線量が高くなる傾向のある場所を中心に測定を継続しております。引き続き公共施設等の空間放射線量率、食品の放射能の測定などにより、市民のみなさまの安心を確保して参ります。

力を入れて進める施策の第二は、「福祉・教育の充実」でございます。

保育園につきましては、佐倉市次世代育成支援行動計画の目標値である定員1,800人の確保は目前ですが、年々、入園希望者が増加しており、志津地区等で入園待ちが発生しております。新たな民間保育園の誘致を進めるほか、小規模グループ型保育事業等も活用し、また、認定こども園の設置に対する支援を行うなど致しまして、待機児童の解消を目指して参ります。佐倉東保育園の民営化につきましては、運営事業者の選定を進めております。引き続き「佐倉市立保育園等の在り方に関する基本方針」に沿って、保育の充実を図って参ります。学童保育所につきましては、上志津小学校において4年生以上の受入れを開始できるように施設の整備を進めて参ります。

高齢者福祉につきましては、引き続き、地域での見守りの強化、成年後見制度の普及促進などに努めて参ります。また、認知症にやさしいまちづくりを推進しておりますが、平成26年9月に市内で開催される日本早期認知症学会にあわせて、そのご協力による市民公開講座を開催するなど、認知症とその介護等に関する理解を深めるように努めて参ります。

障害者施策につきましては、社会福祉法人の行う精神障害者就業訓練の事業拡大を支援するなど障害者総合支援法に基づきその充実を図って参ります。

健康づくりにつきましては、健康増進計画等に基づき進めて参ります。その一環として、子育て支援という点も踏まえて、おたふくかぜの予防接種に対する公費助成を新たに実施いたします。

義務教育については、学校施設の耐震化を最優先として進めて参りますが、あわせて、学校給食施設の更新を行って参ります。平成26年度は佐倉小学校給食室の改修を実施いたしますが、今後は、災害時に避難者向けの調理施設として利用できる防災給食室として、計画的に施設設備の更新を進めて参ります。また、1人ひとりの児童生徒にきめ細かな支援ができるよう、インクルーシブ教育の実施、小中学校における英語教育の推進、心の教育の充実、いじめ対策など、様々な課題に着実に対応して参ります。

志津公民館の建替えにつきましては、出張所、児童センターなどとの複合施設として、現在の志津出張所用地に、平成27年度の開館をめざして、2ヵ年に亘る建築工事を行う予定でございます。なお、現在の公民館敷地に、更に新たな公共施設の整備を求める意見がございますが、中長期的には、市の公共施設の総量を現状規模で維持、更新していくことは難しいと見込まれることから、新施設を充実したものとする一方で、現施設の跡地は売却する方針でございます。

第三の重点施策として、「都市基盤及び快適な生活環境の整備」を着実に進めて参ります。

昨年6月に、志津霊園5か寺との和解が成立し、昭和63年に市が志津霊園墓地移転対策協力会と協定を締結してから、四半世紀に亘る志津霊園問題の解決に向け大きく前進致しました。最後まで気を許すことなく、市の東西を結ぶ都市計画道路「勝田台・長熊線」志津霊園関連区間の開通を目指して参ります。また、南北の幹線として整備が急がれる都市計画道路馬渡萩山線につきましては、小篠塚地先から国道51号までの区間を早期に整備するよう進めて参ります。

公共インフラの老朽化対策としては、今年度末までに橋梁長寿命化計画を策定し、長期的な視点で改修整備を進めて参ります。下水道事業については、その継続性、透明性を確保することを目的として、地方公営企業法を全部適用することとし、水道事業を上下水道事業へと改組いたします。

志津駅周辺については公民館等複合施設の建設にあわせて、志津自然園の公有化、志津駅南口自転車駐車場施設の更新など、国の補助制度を活用して面的な整備を行って参ります。

空き家対策等を含む住環境の整備につきましては、「佐倉市住生活基本計画」の策定を進めておりますので、今後、整備に際しては、この視点を加えて実施して参ります。

また、昨年度に見直しをおこなった「佐倉市一般廃棄物処理基本計画」に沿って、本年4月から新たに金属類・小型家電の集積所収集を開始致します。個人情報を記録できる小型家電については、市内回収拠点でのボックス回収及び廃棄物対策課での窓口回収を行う予定でございます。引き続きごみの減量及び資源循環型社会の構築をめざして施策を進めて参ります。

以上申し上げました喫緊の課題に対する取組みに加えて、「将来を見据えた地域の活性化」にも力を尽くして参ります。

まず、中長期的な視点から取り組んでおります企業の誘致、産業の振興などを、更に力を入れて進めて参ります。

その条件整備と致しまして、市街化調整区域における計画的な土地利用を誘導できるように、「調整区域の土地利用方針」及び「地区計画ガイドライン」を策定いたしました。これにより、佐倉インターチェンジ周辺及び工業団地隣接地等において、地区計画により調和のとれた秩序のある土地利用の可能性が高まるものと考えております。あわせて、企業誘致制度の対象区域をこれらの地域に拡大いたしまして、産業の振興、地域の活性化を図って参ります。先の12月議会において市街化調整区域内の既存集落の活力の維持を図るために開発許可基準を見直す条例改正の議決をいただいたところでございます。今後も、調整区域の基本的な土地利用方針を堅持しつつ、計画的な活用を図って参ります。

農業につきましては、環境面等の多面的な機能を重視し、国の補助制度を活用するなかで、耕作放棄地の解消に努め、6次産業化を進めるなど、その振興を図って参ります。

ふるさと広場や草ぶえの丘を含む印旛沼周辺地域におきましては、昨年11月に策定した「印旛沼周辺地域の活性化推進プラン」に基づき農業、観光の両面からその活性化を進めて参ります。千葉県及び印旛沼流域水循環健全化会議が進める印旛沼流域の治水、水質改善及び親水拠点づくりの事業とも連携をいたしまして広域的な視点から推進して参ります。

また、昨年、長嶋茂雄氏の国民栄誉賞受賞を機に、岩名球場を長嶋茂雄記念岩名球場に改称致しましたが、わが国の野球界を代表する国民的なヒーローの名を冠した野球場として、長嶋氏の思いを尊重しつつ、野球少年が憧れる球場となるように、施設の改修を進めて参ります。更に、4月にオープンする岩名球技場では、イタリアACミランによる常設の少年サッカースクールが計画されております。小出義雄監督が指導する陸上競技に加えて、野球、サッカーでも全国から注目されることになりますので、これを機に、スポーツによる地域の活性化にも積極的に取り組んで参ります。

その他、首都圏における佐倉市の認知度に関する調査等を行い、定住人口及び交流人口の維持拡大を図るためのシティプロモーションに取り組んで参ります。

大学の誘致につきましては、昨年、学校法人順天堂から、スポーツ健康科学部の定員拡大を図るため、ユーカリが丘駅北口前に新キャンパスを設置する案が提案されております。佐倉市にゆかりの深い順天堂大学の進出については、まちの活性化に繋がることから多いに歓迎をするところでございます。

誘致が進展する為には、まずは、進出の条件となっている民間企業による用地の無償提供が確実に実施される必要がございます。また、総事業費の半額程度との希望のある市からの財政支援につきましては、今後の財政見込み等を勘案致しますと、提示されたような多額の支援を行う余裕まではない状況でございますが、誘致を推進する為に、専門機関に調査を委託して、誘致による経済的な効果等を確認するとともに、大学誘致における公費支出の規模など、公的支援のあり方については、有識者の意見を伺う中で、総合的に判断をして参ります。

次に、市制施行60周年記念事業について申し上げます。佐倉市はこの3月末で、昭和29年の市制施行から60周年を迎えます。市民の皆様と共にこれを祝い、佐倉市への愛着を深めていただき、まちづくりの機運を高めることを目的として、平成26年度において記念事業を実施致します。ルパン3世のご当地ナンバーの発行については既に報道等で取り上げられておりますが、このほかにも、消費税対策を兼ねるプレミアム地域商品券、記念音楽祭の開催などを計画しております。また、本年10月25日には、市民音楽ホールで記念式典を開催し、市政に功労のあった方々の表彰等を行うことを検討しております。

最後に、行財政の運営方針」について申しあげます。

これまでの努力の結果、市債残高は大幅に減少し、また、財政調整基金を一定額確保するなど、財政状況は、現時点では大幅に改善しておりますが、求められる喫緊の課題の解決や、将来における市民生活の安定と発展のために不可欠な事業が目白押しでございます。特に、学校施設の耐震化工事が集中する平成26年度及び27年度は、単年度ベースでの赤字は避けられないものと見込んでおります。万一、気を緩めると一気に財政赤字体質へと転落する可能性もございますことから、危機感を持って、現在推進中の第5次佐倉市行政改革大綱による改革を実施していく必要があると考えております。

また、平成28年度を初年度とする第4次佐倉市総合計画後期計画の策定に向けての準備を開始する必要もございます。地方自治法の改正により、これまで義務であった総合計画の策定は、各団体の判断によると変更されましたが、第4次総合計画の目標年度である平成32年度までは、現在の基本構想に基づき、これまでの計画体系を維持し、基本計画及び実施計画を策定して施策を進めるべきと判断し、基礎調査等の準備作業を開始致します。

市民生活の安全安心の確保や福祉の充実などを実現するためには、市が行う公助に加え、市民が自らおこなう自助、地域の皆さんの手による互助、共助の活動が重要でございます。現在、市と市民、公益活動団体、企業など様々な主体が協働して行うまちづくりを進めているところでございますが、これを、平和の希求、基本的人権の尊重、男女平等参画の推進などと共に、基本的な方針として後期基本計画に、引き継いでいくべきと考えております。

以上、私の市政への取り組みの所信の一端を申しあげました。

市民の皆様が将来に希望の持てる佐倉市となるよう、引続き、スピード感を持って課題に立ち向かって参りますので、議員各位並びに市民の皆様のご支援とご協力を重ねてお願い申し上げます。